そろそろ桜の開花が始まりましたが、なかなか温かくならない…まだ冬物のコートが手放せません。
そんな中でも花粉が猛威を振るっているようですね。
みなさま、体調にはお気をつけ下さい。
さて、先週、こんな事件が報道されました。
「中国の女スパイ」報道で文春敗訴 東京地裁が賠償命令
【産経ニュース 2015.3.20 19:19】週刊文春の記事で「中国の女スパイ」と書かれて名誉を傷つけられたとして、フランス国籍の女性が文芸春秋に７５０万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で東京地裁は２０日、名誉毀損を認めて２２０万円の支払いと、謝罪広告の掲載を命じた。
問題になったのは２０１２年５月３１日号の記事。アフリカ東部ジブチにある自衛隊の拠点内で、コンビニなどの経営管理を担当していた女性を「中国の女スパイ」などと書き、女性が以前テレビの取材を受けた際の静止画も載せた。
松井英隆裁判長は「スパイかどうかの裏付けがなく、真実だと信じた理由もない」と指摘。さらに「私人にすぎない女性の個人情報や写真まで掲載し、社会的信用を大きく失わせた」として謝罪広告の掲載も認めた。
文芸春秋は「控訴を含めて検討する」とコメントした。
【リンク切れ】www.sankei.com/affairs/news/150320/afr1503200043-n1.html
ほぼ同一内容の記事が、読売新聞にも掲載されたとのこと。Yahoo!ニュースに掲載されています。
仏女性を「女スパイ」…週刊文春に賠償命令
【読売新聞 3月21日(土)7時53分配信】【リンク切れ】headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150320-00050135-yom-soci
この事件、私は勝訴した被害者側の代理人として仕事をさせていただきました。
当然、この判決だけでは、被害者の怒りや苦しみはとても収まりません。
しかしながら、主張がそれなりに認められているため、弁護士としては判決に一定の評価をしたいと思います。
なによりも文藝春秋には、控訴せずにきちんと謝罪をしてもらいたいと思います。
この件については、もちろん守秘義務がありますので、事件の内容自体をブログには書きません。
しかし、これだけは言いたい！
この事件、報道記事にも書かれているとおり、週刊誌の記事の「裏付けがなく」、すなわち、ろくな取材をしていないことが被害をもたらした、と判決で認定されています。
ですから、この事件を報道するにあたっては、報道機関にはきちんと取材してもらいたかった。
ところが、この記事については、週刊文春側には取材があったようですが（コメントがあるから明らかですね。）、私や被害者には一切の反対取材がありませんでした（私自身も、この事件が報道されたことを、後から知ったのです）。
報道機関よ、ちゃんと取材せよ！
こちらだって言いたいことがあるのだ！
日本の報道機関の底が知れるぞ！
